いつもありがとうございます。
カラフルNIPPONにおける支援は、「常に感じ 常に考え 常に準備する」ことで成立するものと考えています。私たちがどのように「感じ」「考え」「準備」しているのかにつきまして、毎週火曜日にキーワードと共にご紹介してまいります。私たちの目指す支援についてご理解の一助となれば幸いです。
「機能分析」
自閉スペクトラム症に関する理解や支援に大きな示唆を与えてくれる理論体系に応用行動分析学(ABA)があります。その理論内容は多岐にわたっていますが、自傷、他害、騒々しさといった行動問題に関する示唆を与えてくれるものに機能分析があります。ここでいう機能とは平たく言うと行動上の問題を「起こす」、「継続している」意味といえます。応用行動分析学は世界各地で長年多くの研究者が取り組んできた学問領域です。その膨大な研究から、行動問題の機能(意味)は「注目」「逃避」「目的」「感覚」の4つが抽出されています。
「注目:人の関心を引く等」「逃避:課題をやりたくない等」「目的:おかしを手に入れたい等」「感覚:水をバシャバシャやる感覚が楽しい等」です。
もう少し付け加えるなら、世界中の多くの研究者が長年研究してきた上で、現在は、上記の4つの機能があると分かったわけで、私たちはその恩恵にあずかって行動問題が発生した場合は、その4つの機能のいずれかに当てはめて推論すればいいことになります。例えば、自傷行為は人の視線の中で行われることが大半ですので、「『注目』の機能がありそうだな」と推論することになります。そして、「それじゃあ、適切な『注目』」のひき方を考えたり、『注目』の機能を無効化する対応を考えましょう」となるわけです。(自傷行為の一部は「注目」ではありませんし、「注目」と「逃避」の複合などは当然ありますが)
「こころの闇がありそうだな」「障害が重いから」といった何となく説明できていそうで示唆の少ない発想をそこにわざわざ入れる必要はないのです。また、そうすることで以前にも書きましたが、「学び手は常に正しい」という理念を具現化できるのです。
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